「ラピュールはじめて物語」第3話
2012年10月18日15:18

シリーズ「ラピュールはじめて物語」第3回
おかげさまでこのシリーズも、3回目です。

シリーズが始まり、文章を読んで頂いたお客様、業者さんから
「面白かった」「続きが気になる」とのお声を頂き、励ましていただいております。
少しづつではありますが、続けて書いて参りますので、
お付き合いの程よろしくお願いします。

「お顔のアイロン」ベセムSDXという美顔機の販売を始めた当時、
会社の人員は、アポインター20名、美容部員4名、アフターサービス部員1名の25名での体制でした。当時は事務員はおらず、私が全てを担当。一日中電話対応に追われていましたが、「お取引様からはいつ電話しても繋がらない」という苦情を頂く毎日。それもそのはず、私の机の上の電話機は家から持ってきたホームテレホンが一台しかなかったのです。


今はビジネスフォンで、同時に複数の電話が受けられますが、当時は1回線だけ。何時でも電話は鳴りっぱなしという状況で、トイレへ行く暇もなかったのです。その後、事務スタッフが入社し、電話機も業務用に代わりやっと会社らしい体制になってきました。

そんな時、美顔器メーカー主催の全国販売コンテストが始まりました。
会社単位と個人単位で販売台数を競うというものですが、なんと我が社は個人では一位、会社は上位入賞と建ちあがったばかりの会社にしては前代未聞(?)の快挙を成しとげることが出来ました。そして税理士さんからも「こんな順調に建ちあがった会社みたことがない!」と言っていただけるような会社になりました。

ところがそんなある日、コンテストで全国一位になった優秀な美容部員が退職をしたいと言ってきました。入社して1年ちょっとのスタッフです。「子供が中学に入るのでもっと時間に余裕のある仕事に就きたい」との事。退職理由が子供さんの事であり、また真面目に勤務してくれた事など考えて、残念でしたが退職を承諾しました。

そしてその後、その人が会社のすぐそばに同じような美容器販売の店を出した事を、人づてに聞いたのです。実は、うちのアポインターさんも何人か引きぬいている事も知りました。その時、とても寂しい思いをした事を覚えています。
「会社などやらなければこんな気持ちにもならなかったよね」と会社を始めた事を後悔したのです。「言ってくれればお花の一つでも送ったのに」と思いましたが、今思うと言えなかったのでしょうね。そして言ってもらえない様な私だったんだろうなと思います。
今だから書ける話しで、当時は自分の未熟さを痛感した出来事でした。ショックで全てを放り投げ出したい気分でしたが、それでも有難い事にお客様はどんどん増えていきますし、何よりも今いる社員の為に頑張らなくてはと気持ちを切りかえました。

そして、会社は「有限会社」から「株式会社」へ代わり順調に成長して行きます。
次回は、そのきっかけとなったお話をさせて頂きます。

(望月信子)                続きを読む

  

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