「ラピュールはじめて物語」第1話
2012年6月20日13:22

今回より、シリーズで「ラピュールはじめて物語」を開始します。当時の事を懐かしく思い出しながら少しずつ執筆しますので、応援して下さい。

私が会社を興して、今年で15年になります。51歳の時に会社を始めたのですが、当時はバブルがはじけ景気も悪く、しかも若くもなく、回りからは大反対されました。
今の会社を始める前に、8年程下着メーカーに勤めていました。その会社を選んだのは勤務時間が9時~16時ということと、お給料の金額が主人の非課税の範囲内だったという理由です。(笑)
当時、一緒に入社した人達は十人程いたと思いますが、私からすると、みな海千山千の強者ばかりでした。なにしろそれ迄私は、ただの主婦だったのです。

しかし、ふと気がつくと皆辞めてしまい、私一人が残っていました。
私といえば、部下を多数抱え日本中代理店作りに飛び回っていました。そしてその時、懇意にしていただいた会社の社長さんに進められ、今の会社を始めたというわけです。

しかし、なにしろ元々主婦でこねも実績もないわけですから、銀行がお金を融資してくれる訳もなく、手持ちのお金だけで会社を始めました。お金は下着メーカー勤務の時に貯めた、わずかなものだけ。周りの反対を押し切って始めたのですが、主人だけは「好きな事をやったらいい、働いている時の方が目がキラキラしていていいよ。」といって励ましてくれ、確か100万円を貸してくれました。そして富士市に会社を構える事になりました。

しかし前途多難。まず不動産屋さんがまともに相手にしてくれません。仕方なく主人を連れて出直し、不動産屋さんに主人の名刺の肩書を見せて、やっと物件を紹介してもらいました。それが一番最初に会社を構えたビルでした。丹下健三さんという有名な建築デザイナーさんの作ったビルでした。部屋に通してもらい窓を開けた時、本当に感動しました。富士山が全て裾野まで見えるすごい場所だったのです。直感で「ここだ!」と思い、家賃も聞かず「ここにします。」と即決してしまいました。

今思うと「アホか」と思いますが、でもこの直感は当たっていました。その後、順調に会社は滑り出し税理士さんにも「こんなに早く立ち上がった会社見たことがない」と「最初」は褒めて頂きました。でも世の中そんなに甘くはないですよね。この続きはまた次回お話しします…。
(望月信子)                       続きを読む

 

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